考え事と生活の記録

とりとめのない日々の記録です。

三十三間堂の障子を洗ってきました

 

一昨日から謎の腹痛に襲われ、今腹痛と戦いながらこれを書いています。

 

今月は書きたいことがいくつかあって下書き保存している記事もあるので、久しぶりに予定のない今日、まとめて書き進めていこうと思っています。

 

 

昨日と一昨日、短期バイトで、三十三間堂の障子洗いをしてきました。

 

僕も今回行く前まで、三十三間堂については仏像がたくさんあることくらいしか知らなかったので、知らない人に簡単に説明しておきます。

 

三十三間堂は、京都市東山区七条通沿い(京都駅から東へ徒歩20分強)にある仏堂で、堂内中央にある大きな本尊千手観音坐像の左右に1000体の千手観音立像が並んでいることで有名です。

平安時代の後期に後白河上皇平清盛の資財協力で創建したものが鎌倉時代に火災で焼失し、再建されたものが現在の三十三間堂だそうです。

毎年1月に新成人が参加する通し矢のイベントも行われます。

ウィキペディア三十三間堂公式ホームページ等から)

 

三十三間堂の名前の由来については説明が少し大変なので、気になった方は調べてみてください。

仏像の数は三十三体じゃないので、間違えないでくださいね(笑)

 

 

今回僕が参加したアルバイトは、三十三間堂を囲む障子を外し、障子の和紙をはがして木の本体を水洗いし、雑巾で拭きながらヘラでノリをとり、乾いたあと職人さんが新しい和紙を貼ってくれたものを元の場所に設置する、という作業を二日間かけて行う、というものでした。

 

家族で仕事をしておられるプロの方々と、僕を含む学生5人で行いました。

 

そのご家族が、驚くほど腰の低い、優しい人たちで、一緒にいて本当に気持ちよかったんです。

休憩の時間には温かいお茶やお菓子までご用意してくださり、ねぎらいの言葉をたくさんかけてくださいました。

 

一緒に働いているときに僕が誤ってシャワーの水をかけてしまったときも、怒らずに笑ってくれました。

 

引越しや運搬作業ほどきつくはありませんが、ずっと腕を動かし続ける肉体労働で体力のいる仕事なのに、70を超えたおばあさまも一緒にやっておられて、しかもすごく穏やかな表情でされていました。

 

今までいろんなアルバイトをしてきましたが、ここまで気持ちよく働ける場所はあまりなかったなあと思い、自分も将来働いて、上の立場になったら、周りの人が気持ちよく働けるような気配りをしたいし、その頃には一緒にいて心地いいような人柄になっていたいなあと思いました。

 

 

今回のような体を動かす仕事や、一定の作業を繰り返す仕事をするときには、頭の中でいろんなことを考えます。

 

昨日は障子の汚れを雑巾でとりながら、今までやってきた短期バイトのことを思い出していました。

 

 

僕が人生で初めてやった短期バイトは、たしか高校を卒業した春にやった引越しのバイトやったと思います。重い家具を抱えて2階の部屋と下のトラックを往復するのがあまりにきつくて泣きそうになり、プロの人がパズルのピースをはめるようにしてうまくトラックに家具を積んでいく技術に感動し、反対に自分は要領が悪くて厳しく叱られてまた泣きそうになり、仕事終わりにジュースをおごってくれたバイトの先輩の優しさに感動したのを、今でもはっきりと覚えています。

 

たしかその仕事のあと4日間くらい筋肉痛が続きました。

 

 

大学に入ってからは、京都三大祭りをバイトで制覇しました。

 

一回生の5月の葵祭の日に下鴨神社から上賀茂神社までの道のりを学部の友人らと牛車を押しながら歩き、10月の時代祭ではいつの時代かわからない装束をまとってやっぱり牛車を押し、今年の夏、祇園祭のちまき売りのバイトをしました。

 

祭礼行列のバイトはみんなに注目されるところがおもしろく、祇園祭のちまき売りは、観光客が入れない場所から長刀鉾が見れたりするのが良かったです。

 

 

他にも、京セラドームでプロ野球の試合を見ながらファールボール注意の笛を吹く仕事や、大阪マラソンの際に封鎖された御堂筋を通りたい通行人の自転車を担いで地下鉄の駅の階段を4時間くらい連続で上り下りする仕事(これが一番きつかった)、京都市勧業観のイベントの案内係、大学の学会の案内係、郵便局の年末年始の区分けバイトなどもしました。

 

飲食や家庭教師など、長期のバイトもやりながらのわりには、結構いろいろやってきた方じゃないかなあと思います。

 

 

なんでこんなにもいろいろ手を出したのかっていうのを考えると、もちろん生活するためのお金が必要だったということもありますが、知らないことを体験を通して知っていきたいっていう気持ちがあったからだなあと思います。

 

それは、自分が一人旅をする動機にも近いかもしれません。

 

好奇心からというより、自分が何も知らない未熟な存在であることに不安を感じて、少しでも社会のことを知りたいと思ってやってきました。

 

実際やってみると、当然ですがいろんな仕事があり、いろんな働き方があり、いろんな人がいるということを肌で感じることができました。

派遣バイト、という形で好きなことを仕事にして、自由に休みをとって旅に出るような生き方をしている人もいるし、一つの仕事を真面目にコツコツやっていく生き方もある。

 

いろんな人を見て、生き方の選択肢を増やすことができたし、自分の下宿している京都や、昔住んでいた大阪という土地のことを学べてほんまに良かったなあと思います。

 

バイトを通してキツいこともたくさん経験したけど、

観光も、飲食も、客として行くだけではなく、実際に働いてその裏側を知っておくのは悪いことじゃないし、消費者側に回ったときにどういう人たちのおかげでその場が成り立っているのかってことを想像できるようになるんじゃないでしょうか。

 

 

もう少しで社会人になる今の時期に、仕事を学びの機会として肯定的に考えられるようになったんは良かったです。

 

三十三間堂、また行こう。

 

雑な締め方で終わります(笑)