考え事と生活の記録

とりとめのない日々の記録です。

職場に働きかけること。

 

土日が休みではなく、月ごとに決まった日数の休日がランダムに振り分けられる福祉の仕事。

今月は前半に休みが固まっていたために後半休みが少なくてハードで、5連勤の2日目が終った今の時点でもうすでにまあまあしんどい(今日は寒い中、夕方に1時間半の散歩のガイドヘルプもあったからかな。)のだけれど、少し時間があるので、ブログを書いてみる。

 

最近良く考えている、「職場に働きかけること」について。「職場で働く」のではなく、職場に働きかけて変化をもたらすこと。

 

 

デンマーク留学中に習った「環境」の大切さ

2017年の春、僕はデンマークのノーフュンスホイスコーレという学校にいて、日本人の先生にデンマークの福祉職の人たちの考え方などを教わっていた。授業ではデンマークの職場環境がどのように整えられているか、たとえば職種別労働組合がどのように現場で役立っているかなどを時間をかけて教えてくれた。その内容の一部は以前このブログで書いた。

最近、職場のあるチームでこのことを紹介した際に調べていたら、デンマークの労働環境局(The Danish Working Environment Authority)のページにも職場環境の改善の方法について載っていたので、そのページも、英語かデンマーク語だけどシェアしておく。

 

nordfyns.nu

kikikiron.hatenablog.com

 

The Danish Working Environment Authority

https://amid.dk/en

 

 

大学で臨床心理学を勉強していた僕は当時、個人の脳とか心理とか内面的な部分ばかりを学んで考えていたので、外側に目を向けるデンマークの福祉の考え方は新鮮で、同時に、環境の変化で僕自身楽になれた経験がこれまでたくさんあったので、とても腑に落ちる内容だった。

 

さて、学んだことをどうやって日本の福祉の現場で生かしていこうか。

そう思いながら今の職場に就職して1年と3ヶ月くらいになるけれど、これまでにやってきたことをいくつか書いてみる。

 

仕事の満足度について職員にウェブでアンケートをとって結果を発表した。

僕の今の職場は、例年新人のスタッフに1年を通して考えてきたことなどを他のスタッフの前で自由に発表する場がある。

若手のスタッフから、労働時間の長さなどを不満に思う声をいくつか聞いていたので、

「だったらきちんと話し合えばいいんじゃないか」と思って、この機会を利用して、労働時間、休日、働き方についてどう感じているか、不満な点はないかなど、アンケート調査をして結果を発表した。

不満な点だけでなく、働きやすい点についても聞いたら「人間関係がいい」と多くの人が答えてくれたので、発表はかなり緊張したけど、それなりに上層部の人たちも受け止めてくれた。

それ以前にも法人内で、長時間労働について改善しようという動きがあったそうだが、休憩時間の導入なども含め、それぞれの部署のリーダーの人が考えてくれ、スタッフが働きやすいようにすることを現場で若手スタッフも含めて話し合ったりする機会が増えたという話は聞いていて、やって良かったと思っている。

 

とはいえ新人がこういうことをすることへの批判も一方ではあったし、普通の職場だとわりと難しいと思う。僕の職場は寛容だし、非官僚的なフラットな組織だからできたと思っている。

 

 

福祉ホームに本棚を置いた。

jp.toto.com

POST-OFFICE

馬場正尊さんという人の本に最近はまっているんだけど、この本で、ミーティングに使用する机の形を変えてみるとか、会社にバスケットボールのコートを作ってみるとか、働きやすい仕事環境を作るためのアイデアや事例がたくさん書いていておもしろい。

 

これを読んでやったわけではないんだけど、年末、別の部署で大掃除をして出てきた使われなくなった本棚を、僕が働く福祉ホームの一角に持ってきておいてみた。

 

福祉ホームは障害のある人たちが暮らす住居なんだけど、職員にとっては職場という、微妙な空間だ。職員はメンバーの介助とか掃除とか料理とか、やることがたくさんあってばたばたしてることも多いんだけど、休日などは余裕のある時間もある。

 

けれど、いったんその空間で仕事モードになってしまっていると、余裕があっても職員に「その人らしさ」というか、プライベートでは持っているような個性とか味わいのようなものが出にくいと感じていた。

 

そこに本棚を置いて職員に好きな本を持ってきてもらったら、その人がどんなことに関心があるかが互いにわかるし、それを機に会話も広がると思う。

職員自身も仕事中に自分の好きな本が目に入って少し落ちつくかもしれない。

 

障害のある人に「その人らしく過ごしてほしい」と思うなら、職員もなるべく自然体で関わったほうがいい。そんな思いもあって、本棚を置いてみたら、後輩が早速AKBの写真集を持ってきてくれたり、花を飾ったり、お勧めの本を紹介するためのコルクボードを置いてきてくれたりして活用してくれた。

 

他のスタッフの人たちも、好きな本もって来ていいの?と聞いてくれたりして好評な感じだ。本が増えて、その本をゆっくり、障害のある人もスタッフも一緒になって読む時間なんかが今後できたらいいと思う。

 

 

夕食に味噌汁を作る。

福祉ホームの夕方勤務のスタッフは、夜9時や10時まで仕事があるので、仕事中に住人の人たちと一緒に夕ごはんを食べる。住人には配食サービスの職員の人たちが作ってくれるご飯があるのだけれど、職員にはそれがないので(買えば食べれるが少々値が張る)、弁当を作ったりコンビニで買ったりして食べている。

 

僕は元々料理が好きなのと、自分も晩ごはんに温かくておいしいものが食べたいという思いが強かったので、仕事中に空いた時間を見つけて味噌汁やスープを作るようにしている。

材料費は自腹やけど、汁物は5人分くらい作ったところで400円もしないことが多くて、具沢山のものがあればおかずはサバ缶とかでも僕は満足できるので合わせてもコンビニ飯より安く済む。

 

他の職員に喜んでもらえるし、仕事中に好きな料理ができるし、温かい食事に自分も満足できるし、安くつく。一石四鳥くらいにはなっているし、慣れれば効率よくできてあまり手間もかからないのでいい。

 

 

ボードゲーム会の企画

仕事終わりにボードゲームをする4人くらいの集まりを、何回か企画している。

幸いうちの職場には住み込みで働いている人がいて、その人の部屋の隣の部屋を利用してやっている。仕事終わりに、他の部署の人たちも交えて集まって、オフのモードに切り替えてお酒を飲みながらボードゲームをするのはすごく楽しい。

 

職場の人とオフの時間に関わりをもってその人の違う側面を知れたら、つまり仕事と違う部分でもその人とつながれていたら、仕事中のコミュニケーションもスムーズになるって、仕事にとってもプラスだと思う。

それを仕事終わりの時間に職場のすぐ近くでやれば、わざわざ休日などに集まってやる手間が省けてハードルが下がるから、頻度も高くできるし、続けやすい。

 

これからじわじわと、ボードゲームにはまる人間を増やしていくつもりでいる。

 

これからやろうとしていること

使われなくなった棚を最近またもらったので、それを横にしてプランター代わりにし、福祉ホームの外の使われていないスペースを利用して野菜を育てようと思っている。もう少し暖かくなってからのことだけれど。使われてないスペースがたくさんあるので、不要な木材があれば集めてそれでプランターを作って、いずれは庭のようにしていくつもりだ。

 

心がけていること。

自分のお金や、いらなくなったものを使って勝手にやること。

ここに書いたことは、すべて自腹か、不要なものを使ってやっている。

ボードゲームは同僚と買いに行ったし、本棚は捨てられるはずだったものを再利用している。味噌汁の具材も自腹だ。

 

頼まれてやるならもちろん経費として請求するけど、やりたくてやるなら、まずは自分のお金でやってみたらいいと思う。会社にお金をもらいながらすると、制約ができてしまって不自由になる気がする。

スピード感を持って、良いと思ったことを実験的にやっていきたければ職場のことでも、必要なものは勝手に自分のお金で買って、試してみたらいいんじゃないかと思う。

とはいえ福祉職の安い給料だけではすぐ限界が来るのは目に見えているので、今後お金の勉強をして投資などもしようかなと思っている笑

 

もちろんお金を払ったからって一人で好き勝手にできるわけではなく、住人や同僚の意見も聞きながら進めていく必要があるし、他の人を巻き込んだ方が楽しい。そうして巻き込んでいった延長上に、同僚からも新しいアイデアがたくさん出てきてクリエイティブな職場になったらもっと仕事が楽しくなると思いながら、最近の僕は働いている。