秋になって気温は下がって来ましたが、京都は最近天気のいい日が続いています。
いつかテレビで聞いたのですが、今年は冬の訪れが遅いようで、快適な気温が長く続くのは嬉しいことです。
それでも朝晩の冷え込みはすごいですね。
去年着古したダウンを捨ててしまった僕は、早く新しいのを買いに行かないとなあと思いながらも、めんどくさくてなかなか買いにいけない、という日々を過ごしています。
ランニングトーク
さてさて、昨日の夜は久しぶりに友達と鴨川をランニングしていました。
工学部の建築系の友達で、以前8月頃に一緒に走って以来、二ヶ月ぶり二度目(その友達とは)のランニングでした。
コースは以前と同じで、高野川を出町柳まで下り、賀茂川をMKボウルのあるあたりまで北上するというもの。ざっと片道6キロくらいの距離です。
前回と同様、20時頃に集まり、MKボウルまでの往路だけしっかり走って、帰りは話しながらゆっくり歩いて帰る、ということをしていました。
気は合うのですが、専門や趣味が異なることもあり、それほど頻繁に会う友達ではないので、会うたびに近況やお互いの専門分野、最近考えていること、人生観、恋愛観など、いろんな話で盛り上がってとってもおもしろいです。
夜暗い中一緒にランニングをしているからこそできる話、自然と湧いてくる話というのもあるのかもしれません。
今回は、その友人の専門分野である空間デザインの話で盛り上がった時間がありました。
今年の夏に僕もサマーデザインスクール(リンクの記事)で建築に関するテーマを学んだことがあり、それ以降、空間というものを日常の中で考える機会が多かったので、彼の話にも興味を持って入っていけました。
彼が考えているのは、そこにいる人々の自発性を失わないような空間のデザインでした。
例えば会議室や学校の教室など、机があって椅子が並んでいて、その部屋の目的が決まっているような空間では、人は椅子に座り、会議や勉強をするといった特定の行為以外の行動をとりにくいです。
一方で、和室なら座布団を動かしたり片付けたりすることでいろんな場所に座ることもできるし、寝そべることだって会議室よりもずっと簡単にできる。
彼がイメージしていたのはもっと自由な空間で、机が椅子にもなったり、スロープに座って会話ができるような、高低差(レベル)をうまく利用した空間でした。
たしかに、ユニークな空間では「常識的にふるまわないといけない」というようなガードが無意識に外れて、自由な発想が湧いてきやすく、考えることもはかどりやすいように思います。
一方で、日常で過ごすためには、落ち着けない空間になってしまうのもよくないわけで、その両者のバランスがとっても難しそうです。
その話のあとで、普段自分がよく行くスペースや自分の部屋などが、どうして居心地がいいのか、あるいは居心地が悪いのかなどを話合うのは新鮮でした。
例えば、大学図書館の自習室の居心地が悪い理由。僕の通う大学の一番大きな図書館の自習室は、なぜか行くだけでむっとしてしまい、人が多い日などはとくに不快に感じてしまいます。
それは、通路が狭くて大きめの机がぎっしり並んでいるからかもしれないし、窓が少なくて閉塞感があるからかもしれない。少し薄暗い感じの照明の問題なのかもれない。
一方で、好んでいくカフェが心地いいのは、本屋の隅に位置していて、壁側に対面の二人用の机が並んでいて、一人でいるときに壁に背を向ける形で落ち着いて作業ができるから。
本屋との仕切りが適度の高さになっていて、観葉植物が外からの視線をうまく遮ってくれているのもいいです。
人が一番落ち着けるのは、「こっちからは見えているけれど、見られていない場所」だそうです。例えば、教室の一番後ろの机とかね。
自意識過剰な中学生の頃など、教室の後ろの席じゃないと落ち着けないってこと、なかったですか?
僕はめっちゃありました(笑)
話しやすい空間…
それに関連して、僕が考えたのは、人が話をしやすい空間ってどんなところかっていうことです。
というのも、週一回、ある建物の会議室で中学生の学習支援をしているのですが、あまりリラックスできる空間ではないんです。
勉強をするのにはちょうどいいのかもしれないのですが、黙々と勉強をするしかできないような、そんな空間です。
たくさん話をしてくれる中学生もいるのですが、一方で、一人で黙って作業をこなすように勉強している子もいます。
勉強後のおやつの時間には必ず会話があるのでコミュニケーションはきちんととれているのですが、もう少し打ち解けた時間を中学生や大学生たちと過ごしたいなあと思います。
一昨日、同様の学習支援をしている別の団体に見学に行かせてもらったのですが、その団体は和室を使ってやっていました。
ここでは、子どもの勉強が終わればみんなでごはんを食べて、食べ終わったら雑談や遊びの時間が始まります。
僕が見学にいった日は、夕食の時間に怪談の話題になり、その流れで部屋の電気を消して、子供が大人を驚かそうといろんな工夫をするということをやって、盛り上がっていました。
その子供も周りの社会人や大学生の方々も、僕からすればみんな初対面だったのですが、それでもすっと溶け込めて、一緒にくつろげるような空間でした。
もちろん、「かもかも」の方々の寛容な人柄によるものも大きいと思いますが。
僕が普段している方の学習支援が使っている建物には和室はないのでそういった空間にいきなり変えるのは難しいですが、そこに来るメンバーにリラックスしてもらえるような、何かしらの工夫をこれから考えていきたいと思っています。
皆さんが思う、居心地のいい空間、そこにいるとなんでも話せてしまうような空間って、どんなところですか?
行きつけの飲み屋さん?夜の公園?自分の部屋?
銭湯のサウナかもしれませんね。
そこがどうして居心地がいいのか、そこにいるとどうして話しやすいのかを考えてみることで、他の空間も自分好みのものにデザインしていくヒントが得られるかもしれませんよ。
お試しあれ。