本好きの知り合いがSNSでこの前、図書館法が制定されたのが4月30日で、この日が図書館記念日なのだと言っていた。
リンクをたどりながらいろいろ読んでいくと、僕は全然知らなかったかすっかり忘れてしまっているんだけど、2016年に図書館司書の待遇向上を求める動きがあり、「図書館に育てられたの私だ」というハッシュタグで声を上げる人たちがいたことを知った。
それから数年たった今、図書館司書の待遇はどうなってるのかと思って調べてみたら、非正規職員の給料を逆に減らそうとする自治体もあるようでびっくりした。
「図書館に育てられた」
とまで思ったことは僕はこれまでなかったけど、図書館みたいに安心できる場所は、そう多くないとも思う。
小学生の頃、家が荒れていて家にいるのが危険だった時期は、よく地域の図書館に非難していた。場所はどこでも良かったんだろうけど、好きな本や漫画のある図書館で、本に没頭するのは、きっと現実逃避の意味もあって、その当時の自分の心の支えになっていた気がする。
高校3年生の頃、一度だけ家出をしたことがあった。家出といっても大したものではなく、家でも学校でも勉強のことばかり言われるのが嫌になったから一日学校をサボってその日は家にも戻らず、自転車で遠くまで行くことにしたんだった。
夜は結局、当時別居していた父親の家で泊めてもらったから、あれは家出だったのか家入だったのかもよくわからないんだけど、その日の昼間、小学生の頃に住んでいた地域の図書館を数年ぶりに訪れて、その地域に自分がいた頃から置いてあったのに、なぜか読んでいなかったドラゴンボールの漫画を、ひたすら読んで過ごしていた。
その図書館にいると、小学校の頃の、喧嘩ばっかりしていた家族を思い出してつらくなったりもしたけど、図書館はやっぱり温かい場所だった。
やんちゃそうな人はほとんどいないし、喧嘩がおきそうな気配もない。みんな自分の関心のある本や雑誌を読んだり、調べ物や勉強をすることに集中している。
すごく平和な時間。
今僕が良く使っている図書館は、わりと新しくてとても大きいから、蔵書の数だけでも飽きが来ないくらい揃っていて、使うようになって1年以上たっても、初めていくコーナーに並ぶ背表紙の数々に興奮することもある。その上、いろんなテーマで特集が組まれておもしろそうな本が階段を上がってすぐのところにずらっと並べられていたりするから、本好きの僕にとっては遊園地よりも楽しかったりするんだけど、普通の図書館は、ちょっと薄暗くて、少し古びた本が多かったりして、閲覧席の数が少なくて、人が多い時間帯には座って読める場所がなかったりもするんだろう。
ずっと通っていると、ちょっと窮屈で、つまらなく感じてしまうこともある。
それでも、幅広いジャンルの本が好きなだけ読める場所があるのは、本好きにはたまらない。お金を払わなくても好きなだけ本が読めるってすごいことだし、子どもの頃の自分を図書館に連れて行ってくれた父親には感謝している。
自分もいずれ家族ができたら子どもを図書館に連れて行きたいし、
いつかなんらかの形で、図書館を育てる側にも回れたらいいなと思う。