書きながら考えたこと。

奈良で暮らす20代の男の、とりとめのない日々の記録です。

映画「オキナワヘいこう」と大阪大正区のエイサー祭

休みが不規則な仕事をしている。

珍しく今週は土日が休みで、今日は大学からの友人と、淀川シアターセブンという十三(じゅうそう)の映画館でやっている「オキナワヘいこう」という映画を見てから、エイサー祭に行ってきた。

 

まだあまり知られていない世界を撮った映画

 

「オキナワヘいこう」は、本筋は大阪の精神病院に長期入院している高齢の患者さんが外泊を使って沖縄へ旅行にいくストーリーで、彼女の望みを知ってから医師の外泊許可をとったり、直前になって不安になる彼女を励ましたりと奮闘する精神科看護師や、一時退院をして一緒に沖縄へ旅行に行く別の患者さんと病院の外の人との恋愛など、精神科界隈のさまざまな人たちの人柄の魅力も描いた素敵なドキュメンタリーだ。

 

この映画のすごいところはいくつもあるけれど、精神科に現在も入院している実際の患者さんを映したというのがひとつだと思う。映画を撮った大西監督は、長年、日本全国の200以上の精神病院に入院する患者さんを撮影し続けているカメラマンで、精神病院の中の様子を世に発信している。そして、長い人で60年間も精神病院に暮らす人がいる現状をどう思うかと、病院の外で暮らす人に、自分の作品を通して問いかけている。

たまたま、過去に撮影した患者さんが、「生きてるうちに沖縄へいきたい」と短冊に願いを書いたということ、そしてその実現に向けて動いている看護師たちのことを知って、ドキュメンタリーを撮り始めたそうだ。

 

この映画を、僕は完成前の段階で一度見たことがあって、今回は2回目だった。

今回映画を見て特に強く響いたメッセージは、病院の外の人とのつながりが入院している人の人生を変えることが少なくないってこと。身体障害の人と関わる自分の仕事でも、意識したいことだった。

 

今日はたまたま監督の舞台挨拶があってラッキーだった。大西監督の情報はいまやネットで調べたらたくさん出てくるからここには詳しく書かないけど、かなりいいことを言っていてちょっぴり感動しながら聞いていた。

彼は撮影を理由に入院している患者さんたちに会いにいくことを本当に楽しみにしているようで、それができることを自分の「特権」だと言う。

でも、僕も大阪府限定だけど、大阪精神医療人権センターというNPOのボランティアでいくつかの精神病院に時々入っていて、たしかにその世界はユニークでおもしろくて、不思議な癒しもあって、自分も特権を持っていて良かったなと嬉しくなった。

 

監督は、「精神病や知的障害の人たちは確実に社会のなかで受け入れられて統合していく方向に進んでいて、そのスピードが速いか遅いかというだけ」、というようなことも言っていて僕もそう信じているのだけど、それならばいつかなくなるかもしれない、長期入院の人たちが暮らす病院という不思議な世界に入っていくことは貴重なことだなと思う。そして、入院している人たちも、外の人とのかかわりを求めていることが多いのだから、行かない手はないと思う。

 

実はしばらく、ボランティアから遠のいていて、病院に行けていなかったのだけど、病院への面会ボランティアはやっぱり自分のライフワーク(ライフボランティア?)にしたいことだなと改めて思った。

 

 

45回目のエイサー祭

十三から阪急で梅田へ戻り、JR環状線大正駅へ行き、そこからさらにバスで大正区千島公園グラウンドへ着いたのは午後4時ごろ。

まだまだ猛暑だったけれど会場にはすでにたくさんの人がいて、太鼓の音や、ソーキそばの鰹だしのにおいにすぐに沖縄気分になれた。



f:id:kikikiron:20190908235428j:plain

f:id:kikikiron:20190908235503j:plain

 

エイサー祭のことは、15年間くらい大阪に住んでいたのにずっと知らなくて、奈良で働くようになって、沖縄出身の先輩に教えてもらって初めて知った。行くのは今日が初めてだった。

パンフレットの冊子を読んで知ったのだけど、エイサー祭を主催する「がじまるの会」は、差別に苦しんで自殺をした沖縄青年の死をきっかけに発足したらしい。

 

その祭が、それから45年後に毎年2万人以上の人が来る大規模なものになり、県知事も訪れる大イベントになったと知ったら、当時苦しんでいた人たちは感慨深いものがあると思う。沖縄のイントネーションで話をするおじいちゃんおばあちゃんが、ステージの近くのエイサーを遠くの観客席から眺めている様子は、なんだか見ているだけで胸が熱くなった。

 

今回は人気の玉城デニー知事も挨拶に来ていて、Stand by Meなどをステージで熱唱していて、すごい盛り上がりようだった。

 

エイサーも、デニー知事の歌もそうだけど、芸の力ってすごいなって思う。

沖縄に伝統芸能がなければ、この祭はここまで発展しなかっただろうし、歌を歌って場を盛り上げることのできる知事なんて、それだけで素敵だ。(それだけを理由に政治家を好きになったりしたらよくないかもしれないけど笑)

 

思えば、精神病院の状況を世に発信し続けている大西監督も、カメラマンであり、映画を作ることもできるわけで、すごい特技がある。

おいしいソーキそばを食べながら、自分も、何か芸を見につけたいなと思った一日だった。

 

次の休日にウクレレ買おう。