書きながら考えたこと。

奈良で暮らす20代の男の、とりとめのない日々の記録です。

アメリカでの黒人差別についてあんまり知らなかった僕が、読んで良かったと思う本の紹介。

 

 

給付金の10万円がもらえることを知ったときに英語の勉強をしようと思って購読を始めた”The Economist”。毎週届くプレッシャーと、1冊あたり約1300円払ってるのにあんまり読み込めてない消化不良で5週目くらいたった今の時点でもうやめようかなと思ってたんだけど、今週のだけでもちゃんと読みたい。予想はしてたんだけど、表紙のトピックはアメリカでの黒人への警察の暴力と、抗議運動についてだった。

 

"The Hate U Give"(2018)という、まさに警察の黒人への暴力を主題にした映画を以前見てショックを受けていたこともあり、George Floydさんが殺された事件についてはまたショックを受けて、とはいえこの国の人種差別の歴史についても現状についてもあんまり知らなかったので気になって何冊か本を読んでみた。そのなかで読んで良かったと思うものを3冊紹介します。僕はこの分野の専門家でもなんでもないし、アメリカに行ったことさえないのだけど、そんな僕のような人間にもわかりやすかった本を紹介することならできるので。

 

noteやpodcastでも情報を集めていて、ニューヨーク在住のジャーナリストの佐久間裕美子さんのnoteも参考になるので、興味のある人は調べてみてほしい。

 

 

1.《ヒストリカルガイド》アメリカ(2012)

www.yamakawa.co.jp

 

 

まずはこの国が今の状況になるまでの歴史から知りたいと思って、書店の歴史コーナーを探して見つけた本。アメリカの歴史の概要をまとめた本なのだけど、黒人だけでなく、ヒスパニックや東欧系、日本人を含むアジア系の移民なども含めてアメリカへの人口移動の歴史がわかりやすく載っていて、後半の現代史には1992年のロサンジェルス暴動のことなども書かれている。

 

この本を読んでおもしろいなと思ったのが、1800年代のアメリカの移民の受け入れ方が、ドイツ系などの”優秀な”人々はすぐに高収入の仕事につけたが、アジア系や他の国の出身者は違っていて世代を超えて地位を高める努力をしていて、そうした受け入れ時の移民の選別の仕方が、今の日本のやり方にも共通しているなと感じたことがひとつ。

もうひとつは第二次世界大戦中に日系移民が強制収容所に送られた話。これは僕は全く知らなかった!世界史で習ったっけ???

 

通史なので詳しくはないけれど奴隷制度がとられていた時代から、現代までのアメリカの人種差別の歴史についてもさまざまな事件が時系列順に知れてわかりやすかった。

まず「アメリカってどんな国やっけ?」ってところからスタートしたい人におすすめ。

 

 

2.僕と世界のあいだに(2017(邦訳))

www.keio-up.co.jp

 

原題は、”Between the World and Me.”

この本の存在を僕は知らなかったのだけど、これも書店のアメリカ史コーナーに置いていて、タイトルが気になって手に取って読んでみたらすごかった。

2015年(オバマ大統領が2期目をやっていた頃だ)に全米図書賞を受賞して、アメリカで多くの人に読まれたベストセラーらしい。アメリカで黒人として生きるタナハシ・コーツさん(スペルはTa-Nehisi Coates。棚橋さんではない)が息子にあてた長い手紙という形で「この国で黒人として生きるとはどういうことか」を書き表したノンフィクション。2000年に25歳の若さで警察に殺害された、コーツさんの大学の同級生のプリンス・ジョーンズさんの話が書かれている。アメリカン・ドリームや、血や人種といったものの捕らえ方についても考えさせられる。ジョーンズさんのお母さんに話を聞きにいった場面は圧巻だった。アメリカ国内での差別について知りたい人は必読の一冊だと思う。

 

 

3.ブラック・カルチャー観察日記 黒人と家族になってわかったこと(2011)

www.hmv.co.jp

 

黒人の夫とシカゴに暮らす日本人女性から見える黒人コミュニティの文化。黒人と家族になり、間近で様子を見ているからこそ、著者の高山マミさんの主観も大きく入っているけれど、そのコミュニティの中で暮らしているからこそ見えることが音楽や料理、スポーツ、親戚との関わりかたといったところまで多岐にわたって惜しみなく書かれている。黒人女性から、他の人種の人と結婚した黒人男性がどう見えているか、とかも。

個人的におもしろかったのは、床屋が黒人男性の社交場になってる話や、チトリンズやハムホックなどのソウルフードの話。フライドチキンが食べられるようになった由来も知らなかったので驚いた。手羽元やモツは自分も好きでよく食べるので勝手に親近感を覚えてしまった。笑

 

5章には白人や日本人女性は許されるけれど黒人がやると逮捕されてしまう行為についても具体的に書かれていて、勉強になりつつ複雑な気持ちになる。

 

高山さんはこれを書いた翌年に「黒人コミュニティ、『被差別と憎悪と依存』の現在 : シカゴの黒人ファミリーと生きて」という本も出されていて、これから読もうと思っている。

 

 

以上、さらっとまとめてみました。図書館とTsutaya書店が近所にあるおかげでたくさんの本に簡単にアクセスできるのがほんとにありがたい。何かの参考になれば幸いです。