自分に厳しくあたる人に対して歩み寄るというのは相当なエネルギーを使うもので、それが可能な場合は、そういう人とは自然と距離を置くようになるんだろうし、職場とか身近にそういう人がいたらたぶん憂鬱な気持ちになったりもするだろう。
僕はそういう状況が面倒だから、基本的には、誰とでもそれなりに良好な関係を築くための言動を、少なくともその人と出会って間もない間はとるようにしている。もしどうしても関わりを持たないといけない人のなかに、明らかに自分と相性が悪そうな人がいたら、最初はちょっと丁寧めに、あまり自分の本心とか思いをさらけださずに相手に合わせた関わりをしようとする。「様子を見る」っていうやつだ。香車の前の歩をひとつ前に出すように、当たり障りのない行動をとって相手の出方を伺い、相手がどういう人か知ろうとする。やがて自分との共通点とか、良いなと思える部分を見つけたら距離を縮めることもあるし、それも難しければ一定の距離を保ったまま関わるようになる。
もし相性の悪い人が、自分が物心つく前から家族のなかにいて、そういった処世術を身に着ける前に自分との関係が悪化していたとしたら、相当しんどい思いをしただろう。ましてや、その人が自分に暴力をふるってきたり、明らかに他の兄弟とは異なる厳しいしつけを自分にしてきたら、朝起きたり、学校から家に帰ったりするのが辛くなるだろう。
僕の兄はそんな状況だったにも関わらず、大人になってからはその相手のことを受け入れて、「あの厳しいしつけがあったから今のタフな自分がいる」と肯定的に捉えようとしていた。なんなら生前にその人の好物を贈ったりして感謝の気持ちさえ表していた。
それがどれだけ大変でエネルギーのいることだったか、最近になってようやく気づいた。僕は兄を尊敬している。
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podcast紹介も今日で終り。
最後は、バイリンガルニュースの紹介。
2人の話者の、英語と日本語によるニュースの紹介。それも、日本ではほとんど伝えられないようなマニアックな(?)話題ばかり。
普段調べようとしないような興味のない分野について知るためにも、時々聞いています。