書きながら考えたこと。

奈良で暮らす20代の男の、とりとめのない日々の記録です。

Life is a little bit cold.

 

宿直明け、サンダルを買いたくて帰宅途中に西大寺駅のショッピングオールに寄り、結局サンダルは買わずに、無印良品でルンダンのレトルトパックを買って帰宅する。

ルンダン。インドネシア料理として以前テレビで紹介されていたのを見て、気になっていたんだった。無印良品で売っているとは知らなかった。

 

帰ると家庭菜園のミニトマトの実がいくつか赤くなっていた。すでに3つ収穫していて、これからあと20個くらいは収穫できそう。こないだ実の重さに耐えられずに一度下に垂れてしまった枝を糸で固定してあげたら、また上に向かって伸びている。ゴーヤもそうだけど、ミニトマトの生命力には目を見張るものがある。

 

おととい久しぶりに仕事でしんどいことがあり、これまたずいぶん久しぶりにそのしんどさを日がたった後もひきずってしまっていた。ブログにはあまり書いてこなかったけれど、僕は少しHSP気味なところがあって、人がイライラしている姿を見るだけで結構なダメージを受けてしまう。それが身近な人だったらなおさらしんどい。

 

そんなこんなでまだ憂鬱な気分だった昨日の宿直の仕事中に、同じように身近な人との関係に悩む人たちの話を聞いていた。障害があろうとなかろうと、人間関係で悩むのは同じだよなあと、自分と似た悩みを抱える彼らに共感しながら話を聞いていた。

 

不思議なもので、人の悩みを聞くとなぜか自分が楽になる。しんどいのが自分だけじゃないことに気づけたり、しんどさをさらけ出しあえる関係にぬくもりを感じるからからだろうか。

 

それでもひとりになると、やっぱり憂鬱な気分に戻ってしまうのだけど、そんなときに思い出す言葉がある。

 

”Life is a little bit cold. ”

 

3年前に社会福祉を学びに留学していたデンマークで、アートクラスを週に1度とっていた。そのクラスの先生のサニエが休みだった日に、同じ学校で事務員をしていた彼女の夫が、代わりに課外学習に博物館に連れて行ってくれたことがあった。(彼の名前は思い出せない。)

 

アートクラスは、生徒もデンマーク人ばかりだった。英語が拙く、社交性もあんまりないぼくは、気軽に話せる関係の人がそのクラスにほとんどいなかった。デンマーク人どうしだと彼らはもちろんデンマーク語で話していて、そこに英語で割って入るだけのモチベーションが僕にはなかった。その日は曇っていて、たしか5月で、デンマークはまだ寒かった。

 

話せる人がいない寂しさと気温の低さで憂鬱な気分だったときに、サニエの夫に僕はぼそっと、”It is a litle bit cold”と言った。博物館の庭を散歩していて、ほかの人たちが来るのを待とうと少し立ち止まったときのことだった。

 

ちょっと寒いねっていう、なんでもない言葉に彼は、”Life is a little bit cold.”と軽い冗談で返してくれた。彼は物静かな雰囲気で、でもガタイがよくて、体重の重い女性の車椅子を押して、砂利道をどんどん進んでいく人だった。

 

その冗談を言った口調と彼の風貌を見て、彼もこれまでの人生でいろいろと苦労をしてきたのだろうなとなんとなく思った。

 

人生は少し厳しい。だから人のぬくもりが必要だし、おいしいコーヒーや甘いものや、パーティーなんかの楽しい時間が必要なんだろう。

 

しばらく僕は、人生の厳しさを忘れていた。仕事もプライベートも楽しいことが多くて、大半の時間に好きなことを考えていられた。それはあまりにも幸福なことだったんだと思う。本来人生は厳しくて辛いもので、厳しいけれど、その厳しさのなかを進んでいかないといけない。

 

ここ最近なぜか飲まなくなっていたコーヒーを久しぶりに淹れて、香りをかぎながら、そんなことを思っていた。