考え事と生活の記録

とりとめのない日々の記録です。

昨日母方のじいちゃんの家に行って、じいちゃんやいとこたちと話していた。

帰る少し前にじいちゃんから聞いた言葉が胸に残っていて、やけに動揺している。

 

 

母方のじいちゃんに「若いころは仕事ばっかしてて家のことは全部家内に任せていたから、千春のことはあまり覚えてない」と言われた。

千春という名の僕の母は、僕を産んだ半年後に自死していて、その母親である祖母も、数年前に病気で死んだ。

 

今年90歳になったじいちゃんにその言葉を聴いた瞬間、母親のことを、生きているうちにおばあちゃんから聞いておけば良かったという後悔が湧いた。

 

母方の祖母は、言葉が少なく、笑顔以外の表情を見たことがないような穏やかな人だった。僕が子どものころ、時々、母が昔住んでいたその家に遊びにいって、おばあちゃんにおいしいおでんを作ってもらったりしていたのだけど、ほとんどおばあちゃんの話を聞いた記憶がなくて、もちろん、母親のことも、聞かなかった。

母は祖母にとって、どんな娘だったのだろう。

 

昨日、母の兄の妻にあたる人から、感情をあまり見せなかった祖母が生前に一度、「千春にはかわいそうなことをした」と、つぶやいて涙していたという話を聞いた。

 

嫁いで行った娘を、守ってやれなかったという想いがあったんだろう。

 

 

 

昨日は久しぶりにいとこのお母さんとも会って、娘に手を焼いているなんて話を聞きながら、家族というもののおもしろさであったり、難しさであったりを、すごく感じながら、4人暮らしをしていた頃の自分の家族のことを思い出していた。

 

僕の家族は母がいなかったし、兄と祖母は喧嘩ばかりしていたし、兄は高卒で家を追い出されて、そのあとバイトを掛け持ちして生計を立てることになったし、ちょっと異常な家族だった。

 

母親の子ども時代はどうだったんだろう。

いとこ兄妹の関係を、そのお母さんから聞いていて、無性に母の子どもの頃のことが知りたくなった。

母のお兄さんは、60を過ぎた今も大工をしている。どちらかというと無口であまり語りたがらないかもしれないけれど、いつか子どもの頃の母のことを聞いてみたい。

 

なんだか怖いけれど、知らないまま死ぬより、知っておきたいと思う。