「精神医療」という雑誌がおもしろくて最近よく読んでいる。
ハウジングファーストというタイトルの今年1月に発行された巻では、ホームレス支援においてまず住まいを確保することを大切にするアプローチの仕方を、精神科の長期入院患者の支援においても使えるんじゃないか、というような話が語られている。
「精神科に長期入院する」以外の、オルタナティブな精神医療の形、症状の重い精神障害者の支援の形が、理想論ではなく、現実になり始めていて、それを後押しする取り組みが増えてきている。精神科訪問看護ステーションであったり、グループホームであったり、ACTであったり。
ということを、情報へのアクセスが可能な僕は調べればわかるのだけど、病院の閉鎖病棟のなかにいて、スマートフォンを没収されてしまっている入院患者の人たちは知らない。
自分の病気について調べて理解することも、薬の副作用について知ることも、退院したあとでどんな制度を利用できるのかあらかじめわかっておくことも、インターネットを使えばできるはずなのに、それが許されない人が多い。
デンマークの精神病院を見学して、一番いいなと思ったのが、中に小さな図書館があったこと。患者さんが、自分の病気について知る権利が保障されていた。
数年前に見た、ニューヨーク公共図書館エクス・リブリスという映画の中で、この図書館が低所得でwifiを家で契約する余裕のない家庭に無料でwifiを貸し出しているシーンがあった。
もうそろそろ日本も、インターネットで情報を集める権利や、SNSで発信することを、保障されるべき人権にしたらいいんじゃないだろうか。
参考