経産省の「未来人材ビジョン」が、一部の人たちの間で話題になっているらしい。
慎泰俊さんは、僕が人生で出会ったことがあるなかで一番尊敬している人で、たぶん歴史上のどの偉人よりも尊敬している。
このnoteの内容もとてもおもしろいのだけど、経産省の内容にしても、慎さんの文章にしても、「社会的な価値」という軸で個人を評価しているところが、いかにも資本主義的だなと感じる。
日本の労働人口がどんどん減って、国際競争力が落ち続けて、少子高齢化が加速しても、そういった社会のなかで自分がどう楽しむか、そういった社会における自分の人生をいかに納得のいくものにするか、は、その人の世界の捉え方次第だと思うのだ。
年収200万より500万の方がそりゃ暮らしは楽だし、お年寄りばかりの街より若い人の多い街が華やかかもしれないけれど、
年収200万じゃなかったらしようと思えない楽しみや、余ったものを他の人とシェアし合うような優しい関係性ができたりするし、
お年寄りがたくさんいる方が、その人の人生経験からたくさん学べたり、お年寄りの生活のペースに合わせて、ゆったりした日常を送れることだってある。
要は、その時代、環境に合わせた思想を自分の頭にインストールしてしまえばいい。
小欲知足。
最近、大事にしている言葉。
ないものを求めず、あるもので満たされる。
いまあるもの、自分にできることを楽しめば、社会が衰退していったって、ネガティブにならなくたっていい。
障害のある人たちから学んだことだ。
知的障害の利用者さんは、言葉をちゃんと話せなくたって、今日も明るくて、誰より楽しそうだった。
とはいえ僕も、多少の貢献はしたいなとは思っていて、
慎さんが言うプランBのどちらかを選ぶとしたら、ふたつめの、国内に踏みとどまって課題解決に向き合うことを、していきたいんだけどね。
この国に住んでいても、異文化は至るところにあるし、才能のある人だって、五万といる。
才能という言葉の指し示す意味が、国際競争っていう文脈でのそれとは大きくズレるかもしれないけれど、人生を楽しむ才能に溢れた人は、日本にもたくさんいる。
課題だらけの世の中を、誰よりもおもしろがりながら生きていきたい。