いろいろあった日だから、ささやかなことを書いてみる。
大阪の天満で用事があった日に、谷九で近鉄に乗り換えて、奈良に帰る。
途中、上本町の近鉄百貨店で、あさっての先輩の結婚パーティーで必要な服を買う。
地下2階の551の蓬莱の中華料理屋が、変わっていなかった。
もう15年くらい前、自分が中学生だったころ、一緒に暮らしていたばあちゃんによく連れて行ってもらって食べた、海鮮焼きそば。
蓬莱は今も変わらず繁盛していて、向かいのくくるのたこ焼きも、隣のまる寿司も、当時と変わらずそこにあった。
ばあちゃんは、料理が好きじゃなかったから、外食ばかりしていた。
思い出の味は、一緒に食べた蓬莱の中華料理。それでも、食べたらきっと泣きそうになるんだろうなと思って、今日はやめといた。
10月の、ばあちゃんの誕生日あたりにでも、食べに行こう。
亡くなって3年半。
転職が決まって、これから上本町を通る機会が増えそうだから、そろそろグリーフに浸ることをしてもいいのかもしれない。別に、これまで避けていたわけじゃないけれど。
ばあちゃんの遺言のような言葉がずっと胸にあって、転職をしてこれからそれをやろうとしているから、なんだか人生は不思議だ。
そして、兄ちゃんがいつか言ってくれたアドバイスに従うように、自分がおもしろいと思う方向に転がり続けている。もうすぐ30歳。
自分にしかできない人生を送り続けよう。