考え事と生活の記録

とりとめのない日々の記録です。

銭湯日記。2/10 奈良市京終「ほてい湯」、2/17 京都市右京区・西大路「天翔の湯」

 

2/10 奈良市・京終「ほてい湯」

大学の頃に下宿していた京都市左京区は銭湯がとても多く、大学でその日の勉強を終えたあとで近くの銭湯に行ったり、下宿の近くの銭湯に友達を誘って行ったりし
ていた。水風呂が冷たいところとか、広くてサウナが2つありゆったりできるところとか、気分によっても使い分けられる銭湯が5~6個は近くにあった。

時には天然の温泉を楽しめる違う区の銭湯まで、銭湯好きの友人と自転車で30分くらいかけていくこともあった。

 

それに比べると、今住んでいる奈良は銭湯が少ないと感じていた。広く、サウナやジェットバスなどが充実しているスーパー銭湯はいくつかあるけれど、昔ながらの
、小規模な銭湯はあまりない印象だった。

奈良に越してからしばらく足しげく通っていた400円台で入れるスーパー銭湯は、サウナや漫画コーナーなどが充実しているのに一般の銭湯と同じくらい安いことに当初感動していたけれど、10回以上行くとさすがにその喜びは薄れてくる。

 

旅先でゲストハウスに泊まる前、夜散歩していてたまたま見つけた銭湯に入ったり、登山のあと、ふもとの駅の近くの銭湯に足を運んで癒されたり、行ったことのな
い銭湯に行く経験こそ、わくわくしておもしろいものだ。

ふと、以前サイクリング中に通りかかって気になっていた銭湯が奈良にもあったことを思い出した。「ほてい湯」という名前の銭湯。調べたら、JR京終駅のすぐ近
くだった。

 

僕は旅が好きなんだけど、遠出をすると交通費が馬鹿にならないし、そんなに給料のいい仕事をしているわけでもない。
だからある日、マイクロアドベンチャーという言葉に出会ったときは嬉しかった。
「家の近所を冒険すること。」ある冒険家が、南米の大自然を旅行するのと同じくらい、家の近所の冒険でも楽しむことができたと語っていた。

昔からずっと住んでいる場所でもない限り、家の近所や、最寄からいくつか離れた駅の近くにほとんど行ったことがないということがある。僕は今JR奈良駅から自転車で10分くらいのところに住んでいるんだけど、駅の南側の地域にはあまり行ったことがなかった。

JR奈良駅から和歌山や桜井方面に伸びる万葉まほろば線。ほてい湯のある京終駅は、その線を一駅南に進んだところだ。普段電車に乗って銭湯に行くなんてことはしないけど、マイクロアドベンチャーのつもりで、一駅だけ電車に乗って銭湯にいくことにした。ちょっとした贅沢感。

 

仕事が早く終った日の夜の奈良駅
普段は使わないホームの、ほとんど乗ったことのない2両編成の電車に乗る。

一駅なのにずいぶん長く感じた。そして京終駅に着いたんだけど、僕の乗っていた2両目の車両はドアが開かず、降りそびれてしまった。田舎の駅だから前の車両しか開かないらしい。アナウンスを聞いていなかった。

仕方なく、2駅目の帯解駅で降りて、引き返す。帯解駅のホームには暖房の効いた待合室がなくて寒かったけれど、初めての駅で電車を待つのはちょっと旅行っぽくて新鮮な気分になる。座っていたホームのベンチには、地元の大学生か高校生かの、男子二人組みがいて、夜9時前に、電話で女友達を呼び出していた。

なんだか若さを感じるし(僕もまだ26歳なんだけど)、夜にいきなり友達を誘ったりできるのもいちいちローカルな感じがしていい。

 

折り返してやっとついた京終駅

駅からすぐの銭湯は、わりと最近建て替えられたのか、綺麗な内観だった。
脱衣所も浴室も余計なものがなくてシンプルで、でもミストサウナと普通のサウナが階段の上下に分かれていて楽しい。

水風呂は冷たすぎず、サウナも熱すぎずちょうどいい温度で、でも湯の温度は少し熱めで、寒くて体が凝っていたから最高に良かった。

 

十分にあったまって、帰りは歩いて帰ることにした。
歩いて帰っても家までの道の途中に、JR奈良駅を通ることになる。
今回は節約中なのでしなかったけど、銭湯にはいったあと奈良駅の王将に寄って餃子と野菜炒めとかで一杯やれたら最高だろうなと、妄想したらわくわくした。今度絶対やろう。

 

2/17 京都市右京区西大路「天翔の湯」

ある雑誌で東京の餃子屋の店主のインタビューを読んで以来、餃子に興味を持っていた。食べ物に興味を持つ、というのも変な表現かもしれない。これまで自分は、餃子を特に好んで食べることはなかったし、今も餃子が好きで食べたいというより、餃子との向き合い方を楽しんでいるといったほうが近い。

 

これまでも王将に行けば餃子を頼むことも少なくなかったし、おいしいものだとは思っていた。友達の家で一緒に餃子を作ったこともある。けれど、自分好みのラーメンを店で初めて食べたときとか、空腹時にジューシーなから揚げを食べたときのような感動を、餃子で味わったことはないような気がする。

 

餃子って中途半端な食べ物なのかもしれないと思う。
肉の旨みや野菜の甘さを薄い皮で包んでいる。 

一個のなかに野菜も肉も小麦(炭水化物)も入っていてバランスがいいけど、バランスのよさゆえにすぐに脳に快刺激が伝わるようなおいしさとは違う気がする。


たしかにおいしいけれど、肉汁を全面に押し出した小籠包などに比べたら質素でまろやかだ。決して刺激的な食べ物ではないし、刺激的なおしいさをよしとされる食べ物でもないんじゃなかろうか。

雑誌で読んだインタビューでも餃子屋の店主が、「餃子は毎日食べるものだから感動的なおいしさでなくていい」とかって言っていたような気がする。

 

じゃあ、僕も毎日食べたいと思えるような餃子を探そう。そしていずれ、自分でも、最高に自分好みの餃子を作れるようになろう。

そう思っていたから、京都で大学の友人と会うことにしたときも、一緒に餃子を食べに行こうと誘った。「ミスター餃子」という人気の餃子屋が、東寺の近くにあるらしい。


銭湯の話をしよう。


天翔の湯は、京都駅からもそう遠くない、京都市右京区西京極駅西大路駅の近くにある銭湯だ。

たしか大学1回生のときだ。数百人は入るような大教室の一般教養の授業のあとで話しかけてきた工学部の男子と話が盛り上がって意気投合した。彼が大の銭湯好きで、ほどなく一緒に銭湯に行く仲になった。

その友達が勧めていたのが天然温泉が出るという天翔の湯だったけど、当時ぼくが住んでいた左京区の高野からはあまりに遠すぎたので、一度もそこへ行くことなく僕は大学を卒業して京都を離れ、自転車で1時間近くかけてその銭湯へ行っていた友人も東京へ引っ越してしまった。


今回会う約束をした友人は京都で教師をしている。ミスター餃子と天翔の湯が地図で見たら方向的に近かったので、餃子の前に天翔の湯へいくことにした。彼の住む家から天翔の湯が近かったから、良かったら一緒に行こうと誘ってみた。


早くついた僕は先に銭湯に入り、1年か2年ぶりに会うその友人とは素っ裸で再会した。

 

天翔の湯も良かった。

日曜日だったから人は多かったけれど、天然温泉の露天風呂にはかなり癒された。
熱いサウナと気持ちいい冷たさの水風呂。ジェットバスの水圧が強すぎないのもいい。

途中で友人が来たから長くなったのもあるけど、1時間は露天風呂、サウナ、水風呂を繰り返していたように思う。サウナのテレビでは電車好きの芸能人が、今は走っていないものも含めて、人気の車両を見て回るクイズ番組をやっていておもしろかった。番組の内容とは関係ないけど、最近は近鉄でも足湯列車とか、いろんな電車があってすごい。

 

天翔の湯からミスター餃子まではなんだかんだ歩いて30分くらいはかかった。
お互いの仕事のこと、近況、大学の友人のことなど、いろんな話をしながら、その友達も行ってみたかったという、九条通りを一本北へ入ったところにあるその餃子屋へ向かった。

 

餃子屋は空席がなかったけれど、あまり待たずに入れた。

2人で餃子5人前とから揚げを食べ、お酒を飲みながら、教育や福祉の現場の話で盛り上がった。他の職業や現場の人と関わる機会を持ちたいと聞いて、何か交流できるイベントでもしようと話した。

帰り際、また他の餃子屋にも行こうと話して、東寺の駅で別れた。