考え事と生活の記録

とりとめのない日々の記録です。

久しぶりに益田ミリさんの漫画を読むとほっこりする。

とりとめもない話です。

 

世界は終わらない

 

 年度末に暇な時間があったので、本棚の本の整理をしていたら、少し前に買った益田ミリさんの「世界は終わらない」を見つけた。形式は四コマ漫画だけど、一冊を通して物語が続いていく、とっても楽に読める本だ。益田ミリさんは女性を主人公にした漫画が多いのだけれど、この本の主人公は男性だ。

 

www.gentosha.co.jp

 

 主人公の土田さんは、好きな本に囲まれた書店員の仕事をしているがしばらく彼女のいない自分を、結婚して子供もいる友人たちと比べてしまい、「自分の人生はこれでいいのか」と、ひとりになると考えてしまう。

 

 本人は悩むことも多いようだけど、土田さんと周りの人たちとのかかわりはとても温かいし、土田さん自身もの人柄もとても魅力的に描かれている。書店に来れなくなったお客さんの家に休み時間に本を届けたりするような土田さんの行動にはほっこりするし、合コンで知り合った異性といるときの自分のふるまいを後で恥ずかしく思ったり、反省したりする姿はなんとなくかわいくて、応援したくなる。自分の勤める書店をよりよい空間にできないかと考えたり、お客さんに勧める本を何にするか悩んだりしている姿もいい。

 

〇〇な本フェア

 この漫画の中で、土田さんの勤める本屋さんで、〇〇な本フェアを何度かやっている。「無人島に持っていきたい本」のようなテーマを決めて、書店の一角にあてはまる本を並べるというものだ。実際の書店や図書館なんかでもよくやっていることだと思う。

 

 書店で働いていない僕は、よっぽど興味をひくテーマでもない限りそういったコーナーで足を止めることはないんだけど、書店員さんになった気分で〇〇な本を考えるのはおもしろそうなので、ちょっとやってみた。

 

 

あったかい本

 土田さんの働く店の店長やその他の登場人物は『赤毛のアン』や『窓ぎわのトットちゃん』をあったかい本として選んでいる。窓ぎわのトットちゃんは僕は大学に入ってから読んで大好きになった本で、本当にとってもあったかいと思うんだけど、あえて他の本を選ぶとしたら、重松清さんの『とんび』とか、漫画だけど鈴ノ木ユウさんの『コウノドリ』なんかを挙げる。あと、虐待を描いた話で少し暗い部分もあるけれど、中脇初枝さんの『きみはいい子』も読後はとてもあったかい気持ちになれる本だ。

 

 家族や幼少期の境遇でしんどさを抱えた登場人物が、人との支えあいの中で少し明るい気持ちになっていけるような本が、自分にはあったかく感じられるのかもしれない。

 益田ミリさんの本も、結構あったかい本だと思っている。

 

 

無人島に持っていきたい本 

 4年前の夏に瀬戸内海の無人島にいったことがあって、その時は一泊二日でサークルの先輩たちとキャンプをするだけだったから本は持っていかなかった。無人島で本を読む気になるかどうかはわからないけど、もしいつ帰れるかわからないような状況で無人島に本を持っていくとしたら、そこそこの長編小説なんかがいいかもしれない。けど持ち運ぶのもめんどくさいか。

 逆にエッセイを持っていって、自分の置かれた状況とは全く違う人たちの生活を想像するのも、気が紛れていいかもしれないとも思う。最近読んでる本だけど、小川糸さんの「たそがれビール」なんかを読んで、ヨーロッパの生活にあこがれを抱くのもいい。

www.gentosha.co.jp

 

 

 こういうのを読んで帰ってからやりたいことをあれこれ妄想するのも、気がまぎれるしいいだろう。不自由なときほど人は自由を強く求めるし、この本を読んだ後で無人島から帰ってこれたら、すぐにヨーロッパに飛び立つかも。

 

 

 

本が読みたくなる本

 そんなフェアはこの漫画の中ではなかったんだけど、本が読みたくなる本って結構好きだ。

 

 最近、趣味で本を読むことが少なくなっていた。4月からの留学に向けての情報収集でデンマークについての本を読むことはあって、まあそれも半分は趣味っちゃ趣味なんだけど勉強の意味合いもあったから、完全に娯楽目的で本を読むことはなかった。最近本棚を整理して、読みかけの本とか昔読んで良かった本なんかが出てきてまた読みたいなあと思い、最初に手に取ったのが『世界は終わらない』で、その中におもしろい本がたくさん紹介されていて、またいろいろ読んでみたいなあという思いが募った。

 

 『ダ・ヴィンチ』のような、本を紹介する雑誌もいいけど、好きな著者が本の中で紹介する本って、特に読みたくなるよね。

 

 久しぶりに時間があったので、ブログを書いてみました。

益田ミリさんの本、もっと読んでみよう。

 

 

 

デンマークに留学する前に、日本と北欧について僕が思っていること①

 

今日はとても寒くて多くの地域で雪が降ったみたいですね。

皆さんの地域ではどうでしたか?

 

僕の住む京都の左京区では、朝カーテンを開けたら外が真っ白でした。

午前中にパソコン教室の講師のバイトがあったので滑らないように気を付けながらクロスバイクで教室に向かったのですが、受講生が誰も来なくて休講になりました(笑)

 

 

おかげで今日は1日家でのんびりできたので、またブログを書いてみようかなと思います。

 

今回は4月から留学予定のデンマークと日本について興味を持ったり、よくひとりで考えたりしていることを簡単に書きます。

これから少しずつ分けて書いていこうと思います。続くかどうかは不明ですが。

 

福祉関係を中心に書くつもりでいて、内容が偏ると思うので、他の分野についても知りたいという方は、下のニュースメディアなんかをご覧ください。一橋大学の現役学生が作ったものです。すごい。

 

epmk.net

 

 

北欧の福祉に興味を持った最初のきっかけ

僕が最初に北欧のことを調べたのは、小学校の社会の自由研究でした。

理由は全然思い出せないけど、なぜかデンマークについて調べてみようと思い、模造紙にデンマークの地図や人口、酪農がさかんなことなどをまとめていました。

 

 

 

次に北欧に興味を持ったのは10年以上たって大学生になってからです(笑)

 

幼いころに母を亡くし数日間乳児院に預けられていた僕は、親元で暮らせない子供の育つ環境(児童福祉施設や里親など)に関心がありました。大学の図書館などを利用していろいろ調べているうちに、日本では里親が少なくそういった子供が施設に入ることが他の国に比べて圧倒的に多いことを知りました。

 

日本の児童福祉施設にボランティアに行ったこともあります。

職員の割に子供の数がかなり多く、統制をとるために職員が厳しい指導をしているのが印象的でした。多くの子供が荒れて職員が心労で施設にこれなくなったという話も聞きました。僕が少しだけ教えた高校受験前の子どもたちは熱心に勉強をしていましたが、日本では施設出身者の大学進学率が約11%(2015年)と、家庭で育つ子どもとの差は大きいです。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000081379.pdf

 

 

デンマーク児童福祉施設

では他の国はどうなのか、里親の割合が日本より多いとはいえ、当然他の国も児童福祉施設はあります。他の国の施設はどういった状況なのかとネットで調べていて見つけたのが、「デンマークの児童養護」と題した内本充統さんという方の論文でした。

ci.nii.ac.jp

 

この論文によれば、デンマークでは12歳以上であれば子どもたちが自分に示された措置について意見を述べることができると法で定められていて、親元で暮らせない青少年で施設での生活を拒むものに対しては自治体が民家のアパートを借り上げて一人暮らしをさせ、週に何度か職員のサポートを受けながら生活するという形態も増えているようです(10年前の話です)。

筆者が訪れたEgevang(イーバン)という大規模施設では子どもたち全員に個室が与えられており、施設内の学校での活動は個別活動が主になっているようです。

(日本では学校では当然集団行動が基本ですが、僕が見学した施設では放課後の時間でも集団活動が多かったです)

 

また、施設によって差はありますが、入所児童と同数の職員がいるところもあるようです。

(日本では児童にあたる年齢の子ども5.5人につきひとりの職員の人件費が施設に割り当てられる)

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準

 

 

このようにデンマーク福祉施設は日本よりも圧倒的に手厚いサポートで、子供たちの意見が尊重される環境だと知って驚き、できることならこの論文の筆者のように自分もデンマークの施設を見学してみたいと思いました。

 

 

このことをきっかけにデンマークについて調べていくと、学費や医療費が無料であったり、すべての高齢者に手厚い年金が支給されたり、子育て世代へのサポートが充実していたりと(その代わり国民が稼いだ額の7割が税金として徴収される)、驚くことがたくさんありました。

 

デンマークでも高齢化は進んでいるし、共働きの増加による育児との両立の困難などもあります。問題が起きるたびに政府は国民の意見をくみ取り、改善策をとってきました。

 

北欧諸国は今日本で福祉以外にも環境政策やIT、農業など様々な分野で注目を集めていますが、日本が抱える問題を先に経験し、解決していった国々だと言えると思います。

 

次がいつになるかわからないけど、これから何回か、僕がおもしろいと思う北欧諸国と日本の違いや共通点などについて書いていこうと思います。

 

それではまた!

ミャンマーで迫害を受ける民族について

 

「こうへい(僕の名前)、どうして日本ではシリアのニュースやミャンマーの宗教危機に関するニュースがないの?」

おととい、マレーシアの大学で日本語の講師をしている友人からメッセージが届いた。

 

4年前の夏、東南アジアを旅行していたときに知り合ったマレーシア人の彼は、日本のアニメや漫画に詳しい、大の日本好きだ。オタクを自称しているが、日本人のオタクよりも日本文化に関する知識は豊富なんじゃないかと思う。

彼の関心はアニメや漫画だけでなく、日本のドラマ、映画、Jpopとかなり幅広い。

 

 

 

 

旅行中にボボボーボ・ボーボボの話で日本から来た僕らを大爆笑させた彼は、日本語で話をするのがとてもうまくて、情に厚い。過去に彼に出会った日本人の多くがきっと彼のことを好きになっただろう。

 

最近は関西弁にはまっているようで、チャットで僕と関西弁で会話をすることもある。

 

f:id:kikikiron:20170105182045j:plain

 

そんな彼から正月に上に書いたようなメッセージが届いた。

彼からのメッセージはたいてい日本語の微妙なニュアンスや方言についての質問なのだが、今回は違った。

 

 

シリアのことは多少は知ってるけど、ミャンマー?宗教危機?なんの話だ?

 

聞けば、ロヒンギャ族というイスラム教徒の民族がミャンマーで迫害を受けているらしい。

 

「村が燃やされ、男たちがみな殺され、女性はレイプ、老人子供関係なく殺されている。殺したのは仏教徒のお坊さんだ」と彼は言う。

同じイスラム教徒としてとても悲しんでいるようで、ノーベル平和賞をもらったのにこの問題に対処しようとしないアウンサン・スー・チーに憤っていた。

 

 

のちに、お坊さんが子供を燃やしている衝撃的な写真も送られてきた。

 

 

このことは僕にとって二重の意味でショックだった。

今現在、日本からそんなに遠くないアジアの国で想像を絶するような民族迫害が起きていること。

そして、この友人に教えてもらうまで自分がロヒンギャ族という民族の名前さえも、聞いた覚えがなかったということ。

 

自分は普段大学の図書館で新聞を読んでいるし、大学に行かない日はスマホでニュースをチェックしている。

「日本のマスコミの報道は偏ってるから、海外メディアのニュースを読むようにしたほうがいい。」

以前友人が当たり前のように言っていたことの意味を、僕はこのとき初めて、身をもって感じた。

 

だからと言って、日本の新聞が報じないことを嘆いてばかりいても仕方がない。

インターネットがあるんだから、自分で調べてみよう。

そしてどうせならまとめて、ブログで発信してみよう。

 

 

 

ロヒンギャ族について 

 

 ロヒンギャ族ミャンマー西部のラカイン州に多く住み、バングラデシュの公用語ベンガル語方言を話す。政府推計で130万人いるとされるが、仏教徒が多数を占めるミャンマーでは少数のイスラム教徒であり、ミャンマー内ではバングラデシュ移民とみなされて国籍を与えられていない。2012年にラカイン州仏教徒との間で衝突が起き、多くの人が避難して周辺国に船で漂着するなどしたようだ。

ロヒンギャ族とは - コトバンク

f:id:kikikiron:20170109194051j:plain

 

 

ロヒンギャ族を迫害していると友人が話したラカイン州に住む仏教徒は、ラカイン(アラカン)族と呼ばれる。ラカイン族ロヒンギャ族はどうして対立するようになったのだろうか。

 

 

(以下、引用)

かつてロヒンギャ族は東インドのベンガル地方(現在のバングラデシュ)に住んでいたが、15世紀から18世紀にかけてビルマ西海岸に栄えたアラカン王国に傭兵や商人として移ってきた。イスラム教徒のロヒンギャ族仏教徒のアラカン族は平和に共存し、王朝はベンガル湾イスラム諸王国との貿易推進のため、イスラム教徒の名前を騙ることさえあった。

 

 19世紀前半にはインドから侵入した英国の植民地政策によって、仏教徒地主が継承してきた農地がイスラム教徒の労働移民にあてがわれた。このことによって仏教徒イスラム教徒の対立構造が顕著になる。

 第2次大戦で進軍した日本と英国は、日本側が仏教徒、英国がキリスト教徒やイスラム教徒と、宗教別に構成された軍を創って戦わせたことから、両者の対立はもはやぬきさしならぬものとなった。

 

 ビルマ族やアラカン族など仏教徒が主導権を握った独立後、ロヒンギャ族は窮地に立たされるが、それでも、1950年代のウー・ヌ政権下では市民権を与えられて特別行政区を安住の地とするが、62年に軍事クーデターで政権を奪ったネウィン将軍施政下の82年に制定された国籍法によって国籍が剥奪され、無権利状態に置かれることとなった。

 さらに、88年の民主化運動や90年の選挙で、ロヒンギャ族アウンサンスーチー氏らの民主化運動を支持したことから、軍事政権による財産没収や強制労働などの弾圧がいっそう厳しくなり、現在に至っている。

www.alter-magazine.jp(引用元)

 

 

なんと、現在に至るラカイン族ロヒンギャ族の対立の歴史には日本も関係していたのだ。それなのにこの問題を世界史の授業で習うこともなかったし、マスコミもめったに取り上げない。いや、日本が関係しているからこそ、そうなのかもしれない。

 

ちなみにマレーシアの友人は、日本のマスコミがこれをほとんど報じない理由は、

ミャンマー日系企業が多数進出しているために、日本の経済にとってこの報道が不利になる可能性があるからだと分析していた。

 

 

日本に住むロヒンギャ族

 さらに調べてみるとどうやら、一部のロヒンギャ族群馬県館林市に住んでいるらしい。

 

www.tokyo-np.co.jp

www.huffingtonpost.jp

 

その他、ロヒンギャ族に関する最近のニュースなど

 

 

ミャンマー政府、マレーシアへの労働者派遣を一時中断 ミャンマーニュース

 

 

 

 

2016/12/13

www.cnn.co.jp

 

 

2016/12/15

www.huffingtonpost.jp

 

 

2017/01/02

news.livedoor.com

 

マレーシア人の友人は仏教徒ラカイン族による迫害といっていたが、軍による暴行もかなりひどいようだ。ちなみに最後のニュースはニューヨーク・タイムズには載っていた。

 

元日のイスタンブールの事件については大きく報じられていたのに、こういったニュースが新聞に載らないのはどうしてだろう。

 

ムスリムの人たちが日本に不信感を抱かないように、日本のマスコミの皆さん、どうかこういった記事も取り上げてください。よろしくお願いします。