今週はバイトと卒論の準備でびびるほど忙しいです。
本当は今週、パナマ文書に関連して、「どうして日本は脱税可能な直接税が多く、消費税収入が少ないのか。」みたいなことを書きたかったでんす。そのために今本を数冊読み進めているんだけど、とてもそれをまとめる暇はありません。
なのでその代わりに今日は僕の妄想を書きます。
去年のM1にトップバッターで出場したメイプル超合金に、Wi-Fiが飛んでるのが見えるふりをするネタがあるんだけど(こんな書き方したら怒られそうだ)、まあ、そんな風に、見えないものが見えたらどうなるだろうってちょっと妄想を膨らませてみたいと思います。
今日たまたま、宿直の仕事帰りに、目の不自由な女性が方向がわからずに困っているのを見つけ、その人を目的地まで案内している途中でいろいろ話をして、「たぶんこの人には僕に見えないものがたくさん見えているんだろうなあ」と感じたのが、この妄想のきっかけです。
花粉
花粉がもし目に見えたら、春先や秋の花粉が飛散しているシーズンは、花粉症の人にとってさらに憂鬱な季節になるだろう。
自分を苦しめる粉が外に飛んでいるのが窓から見えるわけだから、家から出たくなくなって引きこもりになるだろうし、どうしても仕事場に行かないといけないときは、花粉の多い場所を避けて迂回していくようになるだろう。
花粉の多い地域にある会社では「花粉症の人は春先には自宅で仕事をしてもいい」というルールが出来るかもしれない。
家族の中では、毎年花粉の時期になると花粉症とそうでない人との間に溝ができ、離婚が増える。花粉症でない人が花粉をたくさん服につけて帰ってきて、花粉症の人はその人を汚いものを見るような目で見ることになるから喧嘩になるのだ。
花粉症でない人が玄関前で花粉をしっかり落とすような思いやりを持ち、一方で花粉症の人は「花粉は無害な人には無害なのだからデリカシーがないのもある程度仕方ないのだ」と割り切ることが家族の平和にとってのカギであり、夫婦円満の秘訣だ。家族の中でも異文化理解が欠かせないのだ。
富裕層は、春先には花粉のない北海道や沖縄の別荘に避難するようになり、子育てにも変化が起きる。
小さいころから吸ってきた花粉が蓄積されて花粉症になるという噂を聞いた親は、沖縄や北海道に移住して子育てをするようになる。対花粉英才教育の始まりである。
子供の時期を北海道や沖縄で過ごした人が社会人になってからたくさん大都市に出てくるから、東京の人の数割が北海道や沖縄県民の話し方をするようになる。
方言のグローバル化が起き、標準語が今までにはあり得なかったスピードでめまぐるしく変化するようになる。ニュースキャスターのイントネーションもどんどん変わり古株のキャスターはその変化について行けず、仕事を失う。そのうち若手もどのイントネーションが正しいのかわからなくなり、いつの間にか、自動で最新のイントネーションを学習できる人工知能がニュースを読み上げるようになる。
花粉の多い土地の地価は下がり、春先には雨乞いをする人が増える。
「花粉のない日本党」の議員が選挙に立候補するが、マニフェストに実現不可能なことにしか書かれていないので支持は集まらない。国民は冷静である。
「花粉がつかない服」「花粉を落とすスプレー」「てらないてらない坊主」がバカ売れし、花粉関係のビジネスが盛り上がると、
花粉の飛散量がその年の株価に大きく影響するようになる。
その中でも特に業績を伸ばしたのは、近年眼鏡の需要が落ち下火にあった眼鏡業界だった。
最も売れ行きのいい花粉関連製品は、「花粉の見えないサングラス」だったのだ。
↓参考記事
Wi-Fi
「ここWi-Fi飛んでんな!」この言葉を発するのは、昨日テレビでメイプル超合金のネタを見てバカ受けした小学生ではなく、日本にきたバックパッカーのアルーンである。
外国人への詐欺が当たり前のように行われ、バスの中での暴行が何度もニュースになる自分の国に以前から嫌気がさしていたインド人のアルーンは、祭りで大きなトカゲを丸ごと飲み込んで盛り上がる仲間を見てドン引きしたのをきっかけに、しばらくインドを離れることにした。
「自分にはこの国は合わないのかもしれない…」
アルーンの家は比較的裕福で、彼は勉強もできたのでITに強い理系の大学に通っている。
かつて日本でインターンシップを経験していたという父親に、小さいころから日本のことをたくさん聞いていた影響もあって、大学を休学して日本を訪れることにした。バックパックという形での渡航ではあるが、近年日本で発達しているというAIについて、現地で少しでも学ぶことができたらいいとも思っていた。
アルーンは親戚のいるスリランカには何度か行ったこともあるが、それ以外の外国に行くのは初めてである。
事前にOSAKAから来たという父親の友人である日本人に週に2日日本語を教わって、最低限の会話はできるようにしておいた。語学の得意なアルーンは英語とヒンディー語以外にも趣味でフランス語や中国語もかじったことがあった。そんな彼にとって、いくら難しいと言われる日本語でも、旅行に必要な言葉をマスターするだけなら大して時間はかからない。
日本は2020年にオリンピックが開催された国で、外国人にやさしい国らしいし、アジアの中では安全な国だと父親から聞いていた。
だからアルーンは渡航前にも不安はなく、AKIHABARAやKYOTOへ行くのが楽しみで仕方なかった。父親が若いころに登頂したという富士山にも登ってみたかった。
TOKYOの空港に到着してアルーンが最も驚いたのは、空港には当たり前にあるはずのセグウェイがどこにもないことでも、和食以外のレストランは多いのにハラールの店がなかなか見当たらないことでもなかった。
アルーンの最初の衝撃は、空港にものすごい数のWi-Fiが飛んでいることだった。カラフルなWi-Fiが無数に飛んでいて、目がちかちかするほどであった。インドでこんなにたくさんのWi-Fiが同じ場所に飛んでいるのを見たことがなかったのだ。
「ここWi-Fi飛んでんな!!」
まさかこれが、日本に到着して最初に話す日本語だとは、アルーン自身、全く予想していなかった。