twitterをやってなくても、先週Yahoo!ニュースで見つけたこのニュースは自分も気になっていた。朝日新聞のpodcastの神田さんが「結婚して良かったこと」について聞かれたときの返答が箴言だったので、興味ある人は聞いてほしい。(1時間50分あたり~)
自分は92年生まれ、もうすぐ30歳という年だけど、同世代でも自分の周りの友人らはまだ結婚していない人が過半数だし、職場の年上の人たちにも未婚の人は多い。
僕はヘテロセクシャル・シスジェンダーの男で、SOGIの中ではマジョリティだし一番特権的な立場だと思う。国籍的にも性的にもマジョリティなのだけど、一方で、父子家庭という環境で育ったことや、自死遺族というアイデンティティからのマイノリティ意識は小さいころからずっとあった。
旧帝大を出ていて交友関係も広く、社会的にも有利な立場にあるんだけど、福祉関係の仕事をしていて、給料は同大卒の友人らと比べてかなり低い。そして、一度離婚経験がある。
そんな人間が、結婚とか、将来子どもを誰かに産んでもらうことについて感じていることを、率直に書いてみようと思う。
家族を作ることについての憧れはあるし、自分の子どもを育ててみたいと思う。
一方で、「結婚や子供を作ることにリスクを感じる」という言説にも、一定程度共感できる。
まず、やっぱり結婚相手とうまくやっていけるのか、というのは実際やってみないとわからない部分が大きい。別に相手がどうこうってだけじゃなく、結婚してから初めて自分のダメな部分や、結婚後のパートナーに期待してしまうことに気づいたり、そもそも人と暮らすのが苦手だったって気づくこともあるかもしれない。
離婚が増えているとは言え、やっぱりネガティブなイメージは一般にあるし、そう簡単に婚姻関係を解消していいなんて、特に結婚する前は思えない。だからこそ、もし結婚相手とうまくいかなかったら一生苦しいままなんじゃないか、なんて思ってしまう気持ちもわかる。
結婚したら自由でいられなくなる、という気持ちを持っている人も多いだろうし、パートナーを大切にするいい夫、妻であるために、異性の交遊関係を結婚したら制限しないといけないという価値観も、僕はあった(離婚してから少し変わった)。
あとは、お金の問題もやっぱり大きくて、長年勤めても給料が上がることが見込めない職種で働いてたら、結婚や子育てにお金を使って貯金が減ることも、ある種のリスクと感じてしまうこともある。
仮に自分と似た感覚の人が多かったとして、
そういう人にもパートナーを作って子どもを産んでもらうためにどうしたらいいかって考えた時に、
これは極論だし、ツッコミどころは自分でも想定できるんだけど、
結婚というもののハードルが高いのが悪いんだったら、結婚せずに子供を作るということがもっと一般的になればいいんじゃないかと思う。
ただ、未婚でも養育の責任は両親にあって、婚外子も相続権を得られるという法律にしてほしい。
あと、父親が養育費を払わない問題は本当に深刻だと思ってるけど、いっそのこと最低限必要なレベルの養育費は全部公費で負担するくらいにしたらいいんじゃないかと思う。(妊娠・出産から、大学卒業まで)
それが本当の意味で、社会で子どもを育てる、ってことなんじゃないか。
その通りになることは無理にしても、そういった方向に向かっていかないと、個人の多様な生き方を認める価値観が浸透した時代に、子どもを産み育てるってことはなかなか、安心して選べる選択肢にならないんじゃないかと思う。
個人主義の価値観がこれだけ浸透してきたことと、「結婚したらずっと末永く相手と一緒にいるべきだよね」っていう考え方がまだまだ一般的なことが、かなり乖離してしまってるというか、そこのハードルを乗り越えるのにすごく勇気が必要になっている気がする。
それならば、結婚しなくても一緒に暮らしたい人と暮らして子どもがほしくなったら子作りをする。できればずっと同じ家で暮らし続けるけど、どうしようもなく難しくなれば無理せず夫婦は距離を置く。だけど子どもと父、母それぞれの関係は継続。
みたいなのがいいんじゃないだろうか。それでも法律上、婚姻関係を持つパートナーの家族に比べて不利益が出ないようにしたら、少しはハードルが下がるんじゃないかと思う。
よく知らないけど、フランスとかってそんな感じなのかな?
親も自分もバツイチの僕みたいな人間じゃないと、あんまりしっくり来ない意見かもしれないけど、そんなことを、このニュースを読んで考えました。