考え事と生活の記録

とりとめのない日々の記録です。

季節労働アルバイト23日目の翌朝に。

 

noteには一度書いていたのだけど、はてなブログはご無沙汰していた。今日は休日で友人が遊びに来てくれるのだけど、5時ごろに目が覚め、図書館で借りていた「うしろめたさの人類学」を少し読んだあとで書いている。(この本、6年ほどまえに出た本で、タイトルだけ聞いたことがあって初読。すごく読みやすくて好きな、贈与論にまつわる本。エチオピアと日本を行き来する人類学者の松村さんが書いている。)

 

 

 

 

1ヶ月ほど前から奈良の南部の市で奈良の名産の果物の収穫のアルバイトをしている。(検索でひっかかったらなんとなく嫌なのであえて果物の名前と市の名前は出さないけど渋かったり甘かったりする赤いやつです。)

 

寮に住んで、朝8時から夕方5時まで、休憩除いて7時間半。休日は希望を出せばとれるけど、土日関係なく基本は毎日仕事がある。家族経営の農家で、家族の人たちはこの時期雨の日以外休みなく働いていてすごい。

 

 

何度もハサミでヘタの先の枝を切ったり、実の入ったカゴを運んだりして酷使してしまっている右手が毎朝起きると痺れていたり疲労や痛みを感じたりするのが2週間ほど続いているのだけど、それ以外は健康。まだ暑かった9月上旬の初日はかなりハードで、初日は終わった後一時間寝込むほどだったけど、案外慣れるものだ。

 

空気が綺麗で見晴らしの良い山の中腹で、体を動かす仕事をするというのは、身体にもメンタルにもいいし、やったことが目に見えて成果に現れるのも良い。

 

赤い実を探して、高いところのものは脚立に上って、獲っていき、腰に紐で結びつけたカゴにたまったら選果台に運ぶ作業は、ある種の競技のようだ。昼休憩と午前午後の15分の休憩をのぞいた一日7時間半、ずっと体を動かしていて、取りにくいところにある実をとるときは、脚立の上でいろんな姿勢をとるし、普段使わない筋肉を使う。

 

持久力もいるけど、集中しているときはスポーツで言うところのゾーンに入ったように、すごいスピードでとっていく。疲れすぎないように、緩急をつけるのが大事だ。

 

70代の方が代表をしていてその奥さんと、3人の息子さん(うち跡継ぎの長男3以外の2人は仕事の休みに手伝いに来る)、社員の男性一人、地域に住むパートさんが1〜3人と、季節労働バイトの僕ともう一人、世代の近い男性がいる。

 

代表のおじいちゃんが畑にペットの犬を連れてきたり、休憩時間はずーっと雑談してたりして、なんだかのどかだし、僕が好きなその果物のことをいろいろ聞けるのも楽しい。畑で取れた果物や野菜をときどきいただけたりする。

 

一方で、名前を呼ぶ文化があまりない感じで、なかなか名前を覚えてもらえないのが少し残念だけど、そういう感覚なんだなーと思っている。

 

代表の方の言う、「とりながら作っている」という言葉がおもしろい。

 

収穫作業は、いくつかある畑のひとつにつき、5回くらいにわけて、何度も回り、大きな赤い実からとっていく。そうすると、小さいものがまた大きくなる。

 

全部をとりきらずに、収穫作業をしながらまた作る。収穫作業も、木を植えたり、剪定したり、枝を誘引したり、草刈りや消毒などの作業の延長で、収穫物を作る過程なのだという。

 

田舎の人は、いろんなことを自分でする。

ビニルハウスだって自分たちで立てるし、簡単な小屋なら作れる人も多いという。たくましい。

 

デジタルには疎いから、給与明細も手書き。

ちなみに寮の部屋はネットーワークが一切つながらなくて、これも、スマホのメモに書いたものを外に出てから投稿している。

 

同居人もいるから寂しさはないし、

そんな不便な暮らしも悪くない。

 

家を一歩出れば星がすごくきれいで、少し歩いた畑の前に夜景の見えるスポットがあって、そこはWi-Fiも繋がる。夜は誰もこないので、そこでPCでNetflixを見ながらお酒を飲んだりしている。もうずいぶん寒くなってきたので、次やるときは魔法瓶に温かい飲み物をいれて、ダウンを着てソロピクニックをしようと思う。

 

季節労働アルバイトでもこうやって楽しく生きていけることを知ると、気持ちが自由になれる。

 

ネットでたまたま見つけたのだけど、来年の4月からの職業訓練まで短期で働かないといけない期間があったおかげでこういう仕事ができて、ラッキーだったと思っている。

 

これからもいろんな仕事に挑戦したい。